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JIS A 1481-3 分析方法のご紹介②
アスベスト調査分析株式会社【ARA】 調査分析事業部 分析担当です。
分析担当では、引き続き「アスベスト(石綿)の分析方法」についてご紹介いたします。
アスベストの定量分析の1つに、JIS A 1481-3(X線回折装置法)があります。
前回の記事では JIS A 1481-3の検量線法についてご紹介いたしました。
JIS A 1481-3の分析では、X線回折装置による分析で得られたアスベストの重さと、
使用した検体の重さから検体中のアスベストの含有率(割合)を調べることができます。
また、JIS A 1481-3による定量分析は検量線法を使った分析をより正確にするため、
基底標準吸収補正法という方法で分析結果の補正を行っています。
今回の記事では、X線回折装置による分析と基底標準吸収補正法についてご紹介いたします。
X線回折装置の分析は金属板(基底標準板)の上にフィルター(専用のろ紙)をセットして分析を行います。
検体の分析を行うときは、検体を粉砕し、フィルターでろ過したものを金属板にセットして分析を行います。
これらにX線を照射することで、検体についての情報をX線から調べることができます。
このX線からは検体のほかにも、金属板の情報も同時に得られてしまいます。
また、フィルター上の検体の厚さや量が増えるとX線に影響を与えてしまい、
正確な検体の情報が得られなくなります。
この影響を受けたままの状態で検量線を作成するための分析を行うと、
このようにX線回折強度※ とアスベストの量が比例関係にならず、
X線回折強度からアスベストの重さを調べることができなくなります。
(※ X線回折強度とは、X線から得られる情報の数値です。)
検量線法は分析結果(X線回折強度)を調べたい数値(重さ)に変換する方法のため、
このような分析結果は検量線として使用することができません。
そのため、フィルター上の検体によって発生する影響を基底標準吸収補正法による補正を行い、
X線回折強度とアスベストの量が比例した検量線を作成する必要があります。
基底標準吸収補正法では、まず検体をろ過する前のフィルター(金属板とフィルターだけの状態)と、検体をろ過した後のフィルターの分析を行い、ろ過前後の金属板のX線回折強度を調べます。
次にろ過前後の金属板のX線回折強度を比較します。
このようにフィルター上の検体によって金属板のX線回折強度が減少します。
この検体の有無によるX線回折強度の差を補正値に換算して分析結果を補正します。
基底標準吸収補正法による補正を行った状態で検量線を作成します。
作成した検量線を補正前の結果と比べるとX線回折強度とアスベストの量が比例関係となり、
分析で使用できる検量線を作成することができます。
分析を行う検体も同様の方法で補正を行うことにより、検体のX線回折強度からアスベストの重さを
検量線で調べることができます。
このようにして、JIS A 1481-3の定量分析では分析で使用した検体の重さと、
分析で得られたアスベストの重さから検体中のアスベストの含有率を調べています。
検体中のアスベストの量を調べる必要があるときは、定性分析(JIS A 1481-1,-2)だけではなく、
定量分析(JIS A 1481-3)を行う必要があります。
【ARA】では、定性分析だけではなく、定量分析も対応可能です。
建材中のアスベスト(石綿)の判定についてお困りの際は、ぜひ【ARA】にお問い合わせください。
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