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災害時の建物の倒壊・損傷におけるアスベストの危険性とばく散防止のための対策方法
アスベスト調査分析株式会社【ARA】調査分析事業部 分析チームです。
今回は、一般建屋におけるアスベストの危険性と瓦礫撤去や家屋等を片付ける際のばく散防止のための対策方法を紹介したいと思います。
昨今、1月の能登半島や先日の千葉県における地震、また今後30年以内に発生するとされる南海トラフの巨大地震と、日本は大きな災害に曝されており、また今後もその可能性が高いとされています。
- 一般家屋におけるアスベストの危険性について
アスベストは使用が禁止された2006年以前に着工された建屋の建材に含有している可能性があり、使用箇所は主に下記になります。
上記のような建屋が地震に被災し、倒壊、損壊の被害を受けるとアスベスト含有建材が外部に露出し、アスベストを含む粉じんが飛散する恐れがあります。
画像の建材としては、赤の欄にて記されている吹付材が数あるアスベスト含有建材の中でも最も飛散性が高く危険であるとされ、環境省のアスベスト飛散防止マニュアルにおいても災害の際に最も優先に把握すべき建材とされています。吹付け材に関して、木造戸建て住宅では通常あまり使用されていませんが、鉄骨造の家屋やビル、コンクリート造であってもアスベストが使用されている可能性があります。戸建て住宅に使用されているスレートやサイディング、けい酸カルシウム板も飛散性は高くないものの、アスベストの含有量が多いため、地震による倒壊・損傷の場合は注意しましょう。
ただし、地震の際にアスベストの事を考えて行動するのは非常に難しいと思われるので、平常時における備えが重要になってきます。
- アスベストの危険性による事前対策
これらのことを踏まえた上で、事前に行える対策として、有資格者によるアスベスト(石綿)事前調査があります。事前調査をすることで建物のどの箇所にアスベストが含まれているのかがわかり、災害時にどこを注意するべきかがわかります。また調査の目的にもよりますが建材の劣化状況もわかり、補修するべきか等の普段の生活においての対策にもなります。
さらに、自治体によっては「アスベストハザードマップ」を作成していることもあります。一度お住いの自治体のHP等を確認してみるのも有効でしょう。
- 瓦礫撤去や家屋等を片付ける際のばく散防止のための対策方法
住民やボランティアの方々は、倒壊・損傷した建物から大事な思い出の品の捜索や家財の片づけ等の作業を行う際に、アスベスト曝露の危険を防ぐため、下記事項をご留意しなければなりません。
1.防じんマスクを着用
2.ハンマーでの破砕やカッターでの切断など、粉じんが発生する作業を行わない、もし行う際には散水で十分に湿潤化をする
3.むやみに倒壊、損壊建物や現場に近づかないようにする
(防じんマスク、服装について)
大量の粉塵が舞う中で作業を行う際には、国家検定合格か粒子除去率95%以上のマスクの使用、また保護具又は作業着も着用することが重要になります。つまり、布マスク、ウレタンマスクはもちろんのこと、風邪や花粉対策で使用する不織布マスクもアスベスト粉じんには効果はありません。
さらに災害時は被災地以外でもマスクと保護具は入手困難になりますので、事前に用意しておきましょう。
※マスクはホームセンターやインターネットで購入することが可能です。
今回は一般建屋におけるアスベストの危険性やばく散防止のための対策方法を記載しました。建造物には様々な箇所でアスベスト含有建材があり、災害時に避難所として使用される体育館の天井や壁、機械室にもアスベストが使われている可能性があるので注意が必要です。自身が被災した際に使用する可能性の高い公共の指定避難箇所についてはアスベストの使用の有無を自治体に確認しておくことも有効です。
皆様の『知りたい』『わからない』に真摯に迅速にお応えできるよう尽力いたします。
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