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アスベスト分析は面白い?
アスベスト調査分析株式会社【ARA】の分析課です。
今回はアスベスト分析の面白いところについてお伝えしたいと思います。
アスベストは優れた耐熱性・耐久性・絶縁性から建材や工業製品に広く使われていましたが、吸入すると人体の健康に深刻な影響を与えることが判明し、肺がんや中皮腫を引き起こす可能性があると分かりました。そのため多くの国で使用が規制され、日本では2006年に全面禁止となりました。


規制により、建物の解体やリフォーム時にはアスベストの事前調査が義務化され、専門技術者がサンプルを採取し、分析を行い、アスベストの有無を確認します。この分析は、アスベストによる健康リスクを防ぐために重要な役割を果たしています。
アスベスト事前調査の流れとしては
①建築物の書類調査
②現地目視調査
③試料採取・分析(必要に応じて)
④調査結果の報告書作成 などがあります。
現地目視調査でアスベストの有無が判別できない場合、次のステップとして、対象建材のサンプルを採取し、専門的な分析を行います。アスベスト分析は、非常に精密で正確な手法が求められるため、規定に基づいた標準的な分析方法を使用します。ここでは、JIS1481規格に従い、いくつかの異なる分析方法(偏光顕微鏡法、X線回折法、電子顕微鏡法など)を駆使して、アスベスト繊維の有無や種類を確定します。
アスベスト分析の流れとしては基本的に
①試料採取
②前処理
③分析
④報告書作成 などがあります。
アスベスト分析は非常に専門的で手間がかかる作業です。そのため、細かい作業や精密な視察が苦手な人には少し難しいかもしれません。建材の層別や種類を覚えるだけでも時間がかかることが多く、さらにその中でアスベストを見つけるのが大変な場合もあります。特に、アスベストの含有量が少ない建材、例えばPタイルやサイディングなどでは、非常に微細な繊維を見つけるのが難しく、その精度を求められるため、根気よく分析を続ける必要があります。
ただ、その挑戦を楽しめる人にとっては非常に魅力的な分野となっているため、次にアスベスト分析の面白さを紹介します。
アスベスト分析の面白いところ
1.高度な分析技術の使用
X線回折(XRD)や電子顕微鏡(TEM)など、専門的で高度な機器を使って分析を行うのは、技術者としてのスキル向上に繋がり、非常に興味深いです。これらの機器を操作することで、科学的な視点から物質の構造を深く理解できる点が魅力的です。
2.微細な繊維構造の観察
偏光顕微鏡や電子顕微鏡で肉眼では見えない微細な繊維構造を観察することは、まるで宇宙のような新たな世界を発見しているような感覚になります。特に、アスベストの分散色を観察すると、視覚的にも美しさがあり、興味を引きます。
3.パズルのような識別作業
アスベストには、クリソタイル(白石綿)やアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)など、さまざまな種類があり、それぞれの特徴を識別する作業は、パズルを解くような感覚で楽しいです。異なる種類のアスベストを見極めるためには、専門的な知識と経験が必要ですが、それを一つ一つ解決することが充実感を生む点が魅力的です。
4.社会貢献と健康管理の一端を担う
アスベスト分析は、人々の健康や安全に直結する仕事です。建物の解体やリフォーム時にアスベストが含まれていないかを調べることで、人々の健康を守り、安全な生活環境を確保する手助けができます。この点で、社会的責任と貢献を実感できるのが非常にやりがいがあります。


このように、アスベスト分析は高度な技術を使いこなす必要がありますが、その分、成功したときの達成感や、分析結果が実際に人々の安全に繋がることに魅力を感じる方にとっては非常に面白い分野だと言えます。